NikomatFT2

 

次に手にしたのが NikomatFT2 と言うカメラです。

大学の写真部に入った時に周りのみんなが持っていたのは ミノルタの SRT101というカメラでした。

  このカメラには露出計がついていました。

 スピードライトのホットシューもつ付いていてとっても便利。

 我がNikonF でストロボ(当時はスピードライトと言ってました)

 を使おうとすると、フラッシュガン と言うオプションがありました。

ストロボもあったのですが、純正ストロボシステムは高価でとても

         minolta SRT-101 素人に手を出せるものではありませんでした。

なんせNikonF はプロ 仕様のカメラでしたから。

 

フラッシュガンです。

 

カメラに取り付けるとこうなります。

フラッシュガンに、フラッシュバルブというアルミニウムまたはジルコニウムを燃焼させて閃光を得る

使い捨ての電球を装着します。写真の1枚1枚がとてもいとおしく感じられますね。

当時、サードパーティのストロボも段々市場に出回ってきて、ナショナルのストロボを購入しました。

ガイドナンバー20、単三電池2本使用、発光間隔は30秒程だったかと記憶しています。

とにかく ニコマートFT2を手に入れました。 かっこいいブラックボディです。

 TTL露出計も付いているし、ストロボもそのままクリップON!

NikonF は、クリップオンタイプのストロボを装着するときは

ガンカプラーなるものを付けなければなりませんでした。

フラッシュガン取り付け部に付けるストロボ用のアダプタです。

      Nikomat FT2 
 TTLって、スルーザレンズの略ね。低燃費をTNPって言うのとは違ってかっこいいでしょう?

シャッターは機械式で、縦走りのフォーカルプレーン。

NikonFは横走りでSS1/60秒まででしたが、Nikomat FT2は縦走りで

SS1/125秒までストロボ同調します。日中シンクロがやりやすくなりました。

SSってのはシャッタースピードのことです。

ところで、ニコマートのシャッタースピードは、レンズマウント基部にあるんですよね。

 

ニコマート FT2は 事情があって手放す事になりま

すが、また欲しくなり、25年ほど経ってから同型の

ものを手に入れました。

西新宿の路地の奥まったところに、看板があり、雑

居ビルの2階にそのお店はありました。くらい階段を上り、ドアを開けると、8畳程

の展示室に所狭しとカメラカメラカメラ・・・・・・目も眩むようにフィルムカメラとレン

ズが展示されていました。

ふと 展示棚の左下角に目をやると・・・ありました。たくさんのカメラに隠れるようにおいてありました。

「私はここよ」というつぶやきが聞こえたような気がして思わず手にしていました。塗装の痛み具合が、

手放したものとそっくりで、即決で購入しました。ネットでのもの探しも便利でいいけれど、やっぱり違い

ますね。感動が。探し求めていた昔の恋人に巡り会ったという時、きっとこんな感じかな。

この程度のものには、よくある露出計の不良もなく、シャッターもきちんと切れています。

 

ガチャガチャの儀式

ニコマートにレンズを装着するときには「ガチャガチャの儀式」をしなければなりませんでした。

カメラの露出計にレンズの絞り値を伝えるため、カメラ本体にあるレンズ連動ピンにレンズの連動

つめをかませる必要がありました。そして最初にレンズの解放値を設定するのです。

レンズ装着後、絞り 環を解放の所まで回します。これでいいのですが、さらに最小絞りまで回すユーザ

ーが多かったようです。この時にガチャッ!ガチャッ!と音がするの

で、Nikonのガチャガチャと呼ばれるようになりました。            

この連動ツメはカニのツメと呼ばれています。比較的古いニッコールレ

ンズの中には絞り環中央に小さなねじ穴が2ヶ付いているものがありま

すが、それはカニのツメを取り付ける為のものです。

 

続く→Nikon FE2 へ
   
露出の話    カメラで写真を撮ると言うことは、基本的には レンズで作った被写体の像を、適当な光量でフィルムを感光させるってことです。この適当な光量を調節するのが、シャッタースピードと絞りなんです。シャッタースピードはSS、絞りをf と表します。(大文字のFは、そのレンズの最小絞り値を表します。)

フィルムにも感じやすいフィルムと不感症のフィルがありますので、適当な光量というのはシャッタースピードと絞り値とフィルム感度の三角関係で決まります。

ASA(ISO)感度100のフィルムの場合、天気がいい日の戸外で風景を撮影するときに適正露出はSSが1/125秒、f が8 程度で得られます。

SSの方は想像が付くでしょうが、なぜか絞りはf の値が小さいほど光量が多くなります。

ここでSSを2倍の1/60秒とすると、光量が2倍になりますので、レンズを絞りこんで光量を1/2にします。それではfの値は・・・16。ブブー、11なんですね、これが。

ここがSSと絞りFの微妙な関係なんです。実際にはフィルム感度がこの関係にちょっかいを出すのですが....

レンズを通ってくる光量を計り、この三角関係をうまくまとめているのがTTL露出計なのでーす。露出系ではありませんのでご注意下さい。

参考までに絞りの算出方法は、レンズの焦点距離をレンズの有功直径で割ります。