Nikon NewFM2

 

いつもは FE2をメインに使っていましたが、FE2のシャッターは電子制御のため、電池が切れると使えな

くなります。ただし、バルブと1/250秒でのシャッターは切れるようになっています。

そのために、機械式シャッターのNikonFMを探していました。当時は仕事の関係で年に3.4回関西方面

に出かけていましたので、機会ある毎にカメラやさんを覗いていました。

道頓堀の近くの小さな中古カメラやさんに展示してあるFM2が目に入りました。

手に取ってみると、NewFM2でした。1/250秒までのシンクロ撮影ができます。しかもクロームボディでした

ので、手持ちのFE2とひと目で区別が付きます。NewFM2とFE2はうりふたつなのです。

 左がNewFM2 右がFE2です。もしNewFM2がブラックボディ

だと見分けがつけにくいでしょうね。

NewFM2の方がペンタプリズム部分がすこし長いので、重厚な

感じがします。

NikonFM シリーズはマニュアル仕様です。シャッタースピード、絞りを

自分で設定します。もちろん露出計    

の値を参考にしますが。Nikomatシリーズの後継シリーズです。NikomatはFT3までありますが、NikonFMが

発売されると時期を同じくして発売は終了しました。NikomatFT3は短命の機種でした。

また、FMシリーズはFM3Aという機種があります。これは完全マニュアルのFM2にFEシリーズの特徴であ

った「絞り優先オート撮影」機能を組み込んだものです。そう言う

意味ではFM2がニコン最後のマニュアル機と呼べるのかもしれ

ません。

シャッタースピードは最高1/4000秒です。機械式のシャッターでこ

れほどの高速を達成するためには技術者たちの並々ならぬ苦労

と努力が見え隠れします。

 
                裏蓋を開けると、高速シャッター実現のためにハニカム状に肉

を削り取られたチタンのシャッター幕があります。

縦走りで1/250秒以下のシンクロスピードを誇り、日中シンクロの幅を

広げます。

FE2にも同様のものが使われています。

ただし、Nikomat にあって、FMから削られたものに、ミラー跳ね上げ機構と、露出計のファインダー外メー

ター表示があります。これって以外と便利だったんですけど。

 

続く→コンパクトカメラへ

絞り優先オート

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日中シンクロ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フィルム感度

露出は、シャッタースピード・絞り・フィルム感度 の三角関係でした。

フィルム感度=ASA感度=はフィルム自体の感度ですから、カメラの方で加減することはできません。ただ、露出計算の要素のひとつですから、撮影の前にどの感度のフィルムを装填してあるかカメラの露出計に教えてやらなければなりません。これがASA感度の設定です。→フィルムが収められているパトローネに感度設定のコードが印刷されているので、そのコードを読み込んで自動で感度設定をするカメラもあります。

さて、いよいよ撮影に入るわけですが、実はレンズの「絞り」によってピントが合う範囲(被写界深度と言います)が違ってきます。そこで撮影者はテーマや写真の仕上がりのことを考えて絞りを決めます。そこで、適正露出を得るためにその絞りに合わせてカメラが勝手にシャッタースピードを決めてくれます。この仕組みを「絞り優先オート」と言います。

逆に「シャッタースピード優先オート」もあります。この場合、撮影者がシャッタースピードを決めると、カメラが絞りを決めてくれます。シャッタースピードを変える意味は、例えば「滝」の写真を撮る場合、シャッタースピードを遅くすると、流れるような滝の写真になるし、反対に早くすると水のしぶきがピタッと止まった写真になります。

この二つのオートを組み合わせたのが「プログラムオート」と言って、大抵のカメラで「P」と呼ばれる撮影モードです。

明るい場所でストロボを使って撮影することです。シンクロ(同調)とはストロボの光でカメラが余裕を持って撮影できること と考えて下さい。

海岸でのスナップ写真や、明るい空を見上げて花を撮影するような場合、逆光になり、被写体は真っ黒になってしまいがちです。露出計はどうしても明るい方に反応してしまい、被写体の測光が正確にできません。(これを防止する裏ワザはありますが、また後で)

そこで登場するのがストロボです。真っ黒になる被写体をストロボの光で照らそうという作戦です。

原則としてストロボ撮影では暗いところでも明るいところでも被写体との距離と絞りが決め手です。シャッタースピードはあまり関係ありません。

ストロボの光量は「ガイドナンバー」で表します。例えばガイドナンバー20であれば、ASA100のフィルムで、カメラと被写体の距離が1mの時にレンズの絞りは20で適正露出が得られます。つまり 「絞り」=「ガイドナンバー」÷「距離」 という式が成り立ちます。

ここで真夏の日中の海岸でASA100のフィルムを使って3m先の人物を逆光で撮影しようとします。絞りの計算式で20÷3=7↓、そこで絞りをは8又は5.6に決めます。なぜかというと、大概のレンズの絞り設定は1.4-2-2.8-4-5.6-8-11-16-22・・・・ となっているからです。

真夏の日中の海岸で絞りを5.6にすると恐らく露出計はシャッター速度を1/250秒か1/500秒を指定してくるでしょう。そうすると、シンクロスピードが1/250秒以下のNewFM2かFE2がギリギリ使えます。NikomatFT2(1/125秒以下同調)やNikonF(1/60以下同調)は使えません。

ストロボはなかなか奥が深いのですが、こんなややこしいことを考えなくても最近はどんなカメラでもオート撮影に設定をしていたら逆光になったらカメラが勝手にストロボ発光をしてくれます。発光しなかったら、強制的に発光させることができます。カメラが適正露出を決めてきちんと撮影してくれます。

フィルムの感度はASA(アーサー)感度と呼ばれています。ASA感度はアメリカ標準規格ですが、最近では国際標準規格のISO(イソ)感度が使われています。

フィルム感度は100か400が多く使われています。昔は800とか1600もありましたが、実用的ではなく、最近ではほとんど目にすることがありません。ひょっとしたらもう作っていないのかもしれません。

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